2014年5月20日火曜日

色々な彼女(She)

英語の三人称の"She"(彼女)。

原文では同じ"She"なのですが、訳し方によって、日本語では大きく印象が変わる言葉です。

ハロルド・ピンターの意図を読み解かれた上で、
日本語の翻訳では色々な訳語がついています。

演出家アシスタントの薛さんが"She"のそれぞれ訳語を
ルヴォーさんにご説明。

その解説を聞いた後に、ルヴォーさんが一言。

(日本語で)「日本語むずかしいですね〜」

(たまに凄く流暢な日本語を話されるので、実は日本語が全部聞き取れているのではないかと疑ってしまう程...!)

日本ではあまり一般的ではないピンターですが、

英語の"Pinteresque"(ˌpɪntərˈɛsk、ピンタレスク)として形容詞化され、
単語が辞書に載るぐらい「英語」という言語を変えた革命的な存在なんだそうです。


Harold Pinter (Writers Lives)
英語圏では「ハロルド・ピンター」について書かれた著書が多数存在します。

"
Pinteresque"(ピンタレスク)を日本語訳すると、
「ピンターっぽい」、「ピンター風」。

ルヴォーさん曰く
ピンター劇をピンター風にやったらダメ!」とのことなんです。
確かに、「ピンターっぽい劇」とか「ピンター風の劇」だったら、
本物のピンター劇をお見せしていることにはなりません。

毎日、非常に知的探究心がそそられる現場です。

今日の稽古場は、ルヴォーさん曰く、
「一日分のピンターはやりきりました!」
ということで、
少し早めに終了となりました。

本番に至るまでの「稽古」とは凄い「道のり」なのだなぁ、と実感しました!

舞台『昔の日々』作:ハロルド・ピンター 演出:デヴィッド・ルヴォー 出演:堀部圭亮 若村麻由美 麻実れい
■東京 日生劇場 2014/6/6(金) ~ 6/15(日) ■大阪 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 2014/6/19(木) ~ 6/22(日)